福井城址

福井城址
所在地 〒910-0005 福井県福井市大手3丁目17−1
公式サイト http://www.city.fukui.lg.jp/photo/meisyo/fukuijyousi/index.html

福井城址完全ガイド|結城秀康が築いた68万石の名城と現代に残る歴史遺産

福井市の中心部、福井駅から徒歩わずか3分の場所に位置する福井城址は、徳川家康の次男・初代福井藩主・結城秀康が慶長11年(1606年)に築城した北陸屈指の名城です。約270年間にわたり越前松平家の繁栄の舞台となったこの城は、現在、福井県庁や県警察本部が建つという全国でも珍しい形で歴史と現代が共存しています。

福井城の歴史|徳川家康の次男・結城秀康による築城

結城秀康と福井城築城の経緯

結城秀康は徳川家康の次男として生まれながら、豊臣秀吉の養子となり、その後結城家を継いだ異色の経歴を持つ武将です。関ヶ原の戦い後の慶長6年(1601年)、家康から越前国北ノ庄68万石を与えられ、北陸の要衝を任されました。

秀康は慶長6年から城の改修を開始し、慶長11年(1606年)に本格的な築城を完成させました。この築城には北陸の諸大名にも「築城御手伝」が命じられ、加賀の前田家をはじめとする周辺大名が工事に参加しました。68万石という石高は当時としては加賀藩に次ぐ全国第2位の規模であり、その威容にふさわしい壮大な城郭が築かれました。

北ノ庄から福井へ|地名の由来となった「福の井」

当初「北ノ庄」と呼ばれていたこの地は、「北」の字が「敗北」を連想させ縁起が悪いとして、2代藩主・松平忠直の時代に「福居」、そして「福井」へと改称されました。

天守台下には現在も「福の井」という井戸が残されており、この井戸が福井の地名の由来になったという説が伝えられています。福の井は城内の重要な水源であると同時に、福井という都市のアイデンティティを象徴する存在として大切に保存されています。

築城当時の壮大な姿|高さ37m・四層五階の天守閣

築城当時の福井城は、高さ37m・四層五階の雄大な天守閣を誇る名城でした。本丸を中心に二の丸、三の丸が配置され、総面積は約48万平方メートルにも及ぶ広大な城郭でした。

天守閣は寛文9年(1669年)の大火で焼失し、その後再建されることはありませんでした。しかし、石垣や堀、櫓などの防御施設は維持され、約270年間にわたり越前松平家17代の居城として機能し続けました。

福井城址の見どころ|笏谷石の石垣と歴史遺構

笏谷石で築かれた壮麗な石垣

福井城址の最大の見どころは、城下近郊の足羽山(あすわやま)で採掘される笏谷石(しゃくだにいし)で築かれた石垣です。笏谷石は福井特産の青緑色を帯びた凝灰岩で、加工しやすく美しい色合いが特徴です。

現在も残る本丸の石垣は高さ約4.5m、総延長約600mにわたり、築城当時の技術の高さを今に伝えています。特に「野面積み」から「打込接ぎ」への過渡期の技法が見られ、石垣マニアにとっても興味深い遺構となっています。

石垣の一部には刻印が残されており、築城に参加した諸大名の痕跡を確認することができます。これらの刻印は築城御手伝制度の実態を示す貴重な史料として注目されています。

天守台と「福の井」

本丸跡には天守台が良好な状態で残されています。天守台に登ると、かつて37mの天守閣がそびえていた往時の姿を想像することができます。現在は展望スペースとして整備され、福井市街地を一望できる絶好のビュースポットになっています。

天守台のそばには前述の「福の井」が保存されています。発掘調査によって、この井戸から天守台下で検出された別の井戸に向かって、切石で組んだ人ひとりが通れる穴が設けられていたことが判明しています。これは籠城時の秘密の水源確保ルートだったと考えられています。

御本城橋と内堀

本丸への入口には「御本城橋」が架けられています。現在の橋は復元されたものですが、かつての登城路を偲ばせる重要な施設です。橋の下には内堀が残り、春には桜が水面に映える美しい景観を楽しめます。

内堀の一部は埋め立てられましたが、本丸周辺には当時の姿をとどめる堀が約400m残されています。堀の水は現在も豊富で、都市の中心部にありながら水と緑の潤いある空間を形成しています。

山里口御門と舎人門

本丸には複数の門が設けられていましたが、現在はその礎石や門跡が確認できます。特に山里口御門跡は当時の規模を示す重要な遺構として保存されています。

舎人門(とねりもん)跡付近には、往時の石垣の積み方の違いを観察できるポイントがあり、城郭建築の変遷を学ぶことができます。

福井県庁と福井県警察本部|城内に建つ現代建築

全国でも珍しい「城内の県庁」

福井城址の最大の特徴は、本丸跡に福井県庁と福井県警察本部が建っていることです。城跡に県庁が置かれているのは、全国でも山形県と福井県の2県のみという非常に珍しい事例です。

明治維新後、福井城は廃城となり、多くの建造物が取り壊されました。明治時代には本丸跡に福井県庁が建設され、以来、福井県政の中枢として機能し続けています。歴史的遺構と近代的な行政施設が共存する独特の景観は、福井城址ならではの魅力となっています。

県庁見学と歴史展示

福井県庁の建物内には、福井城や越前松平家に関する展示コーナーが設けられています。平日の開庁時間中は自由に見学でき、福井城の歴史や復元模型などを無料で観覧できます。

県庁1階のエントランスホールには、福井城の復元模型や歴史パネルが展示されており、築城当時の壮大な姿を知ることができます。また、笏谷石のサンプルも展示されており、実際に触れることも可能です。

春の桜の名所|福井城址の四季

桜の季節の美しさ

福井城址は福井市内有数の桜の名所として市民に親しまれています。毎年3月下旬から4月上旬にかけて、内堀沿いに植えられた約200本のソメイヨシノが一斉に開花し、石垣と桜のコントラストが見事な景観を作り出します。

特に夜間はライトアップが実施され、水面に映る桜と石垣の幻想的な風景を楽しむことができます。花見の時期には多くの市民や観光客が訪れ、歴史と自然が調和した空間で春の訪れを満喫しています。

年間を通じた魅力

春の桜以外にも、福井城址は四季折々の表情を見せます。夏には緑豊かな木々が石垣を彩り、秋には紅葉が堀端を染め、冬には雪化粧した石垣が厳かな雰囲気を醸し出します。

年間を通じて無料で見学でき、定休日もないため、いつでも気軽に訪れることができるのも福井城址の大きな魅力です。

福井城址へのアクセスと観光情報

アクセス方法

電車でのアクセス

  • JR福井駅から徒歩約3分(約250m)
  • 北陸新幹線延伸により、東京・大阪からのアクセスがさらに便利に

車でのアクセス

  • 北陸自動車道「福井IC」から約15分
  • 福井北ICから約10分

駐車場

  • 福井県庁地下駐車場(平日のみ利用可、有料)
  • 周辺の有料駐車場を利用(土日祝日推奨)

基本情報

所在地
福井県福井市大手3丁目17-1

見学時間
24時間見学可能(外観・石垣・堀)
福井県庁内展示:平日8:30~17:15

入場料
無料

定休日
なし(年間通じて見学可能)
県庁内展示は土日祝日休み

所要時間
約30分~1時間

問い合わせ
福井市観光課:0776-20-5346

周辺の観光スポット|福井城址と合わせて訪れたい名所

養浩館庭園(旧御泉水屋敷)

福井城址から徒歩約5分の場所にある、福井藩主松平家の別邸庭園です。国の名勝に指定されている美しい池泉回遊式庭園で、四季折々の風景が楽しめます。福井城址とセットで訪れることで、越前松平家の文化と歴史をより深く理解できます。

福井市立郷土歴史博物館

養浩館庭園に隣接する博物館で、福井城と城下町の歴史を詳しく学ぶことができます。福井城の復元模型や出土品、越前松平家ゆかりの品々が展示されており、福井城址訪問前後に立ち寄ることで理解が深まります。

柴田神社

福井城の前身である北ノ庄城を築いた柴田勝家を祀る神社です。福井城址から徒歩約10分。勝家とお市の方の悲劇の物語を伝える史跡として、戦国時代の福井の歴史に触れることができます。

足羽山公園

福井城の石垣材である笏谷石の採掘地として知られる足羽山は、現在は市民の憩いの公園となっています。桜の名所としても有名で、山頂からは福井市街地と福井城址を一望できます。

福井駅周辺の恐竜モニュメント

JR福井駅前には実物大の恐竜モニュメントがあり、福井県が誇る恐竜王国をアピールしています。福井城址訪問と合わせて、駅前の恐竜広場も楽しめます。

福井城址観光のモデルコース

半日コース(約3時間)

  1. JR福井駅(スタート)
  2. 福井駅前恐竜広場(15分)
  3. 福井城址(60分)- 石垣、天守台、福の井を見学
  4. 福井県庁内展示(20分)- 平日のみ
  5. 養浩館庭園(45分)
  6. 福井市立郷土歴史博物館(45分)
  7. 福井駅周辺でランチ

1日コース(約6時間)

午前:福井城址周辺の歴史探訪
午後:足羽山公園、一乗谷朝倉氏遺跡(車で約20分)

福井城を深く知るための豆知識

越前松平家17代の系譜

初代・結城秀康から始まる越前松平家は、17代にわたり福井藩を治めました。幕末の名君として知られる16代藩主・松平春嶽(慶永)は、幕政改革に尽力し、明治維新の立役者の一人となりました。

笏谷石の文化的価値

福井城の石垣に使われた笏谷石は、福井の歴史と文化を象徴する石材です。青緑色の美しい色合いと加工のしやすさから、城郭だけでなく、寺社建築、墓石、生活用具など幅広く使用されました。現在は採掘が終了し、笏谷石採石場跡は歴史遺産として保存されています。

福井城の縄張りと防御システム

福井城は本丸を中心に二の丸、三の丸が配置された輪郭式の平城です。足羽川と吉野川(現在の荒川)を外堀として利用し、内堀と合わせた二重の水堀による防御システムを構築していました。城下町も計画的に整備され、武家屋敷、町人町が整然と配置されていました。

福井城址の保存と活用の取り組み

史跡整備と保存活動

福井市と福井県は、福井城址の歴史的価値を後世に伝えるため、石垣の保存修理や遺構の調査を継続的に実施しています。近年では、御本城橋の復元や案内板の整備など、観光客にとってわかりやすい環境づくりが進められています。

デジタル技術を活用した歴史体験

福井市では、AR(拡張現実)技術を活用し、スマートフォンをかざすと築城当時の天守閣や城郭の姿が見られる取り組みを検討しています。歴史遺産とデジタル技術の融合により、新しい観光体験の創出が期待されています。

まとめ|福井城址で感じる歴史と現代の共存

福井城址は、徳川家康の次男・結城秀康が築いた68万石の名城の面影を今に伝える貴重な歴史遺産です。笏谷石の石垣、福の井、天守台などの遺構は、約400年前の築城当時の技術と文化を現代に伝えています。

本丸跡に福井県庁が建つという全国でも珍しい景観は、歴史と現代が共存する福井市のシンボルとなっています。年間を通じて無料で見学でき、定休日もないため、いつでも気軽に訪れることができます。

福井駅から徒歩3分という抜群のアクセスの良さも魅力で、福井観光の起点として最適です。春の桜の季節には特に美しく、石垣と桜のコントラストが訪れる人々を魅了します。

養浩館庭園や福井市立郷土歴史博物館など周辺の観光スポットと合わせて訪れることで、越前松平家の繁栄と福井の歴史をより深く理解することができるでしょう。福井を訪れた際には、ぜひ福井城址で歴史の重みと現代の息吹が交差する独特の雰囲気を体感してください。

地図

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