徳島城 徳島市(徳島県)

徳島城 徳島市(徳島県)
所在地 〒770-0851 徳島県徳島市徳島町城内
公式サイト https://www.city.tokushima.tokushima.jp/

徳島城 徳島市(徳島県)完全ガイド|歴史・見どころ・アクセス情報

徳島県徳島市の中心部に位置する徳島城は、豊臣秀吉の四国平定後に蜂須賀氏が築いた歴史ある城郭です。現在は国の史跡・名勝に指定され、徳島中央公園として市民や観光客に親しまれています。本記事では、徳島城の詳細な歴史、建築的特徴、現在の見どころまで、訪れる前に知っておきたい情報を網羅的にご紹介します。

徳島城の概要と立地

徳島城(とくしまじょう)は、徳島県徳島市徳島町に所在した日本の城で、別名「渭山城(いざんじょう)」「渭津城(いしんじょう)」とも呼ばれます。JR徳島駅の北側徒歩約10分という好立地にあり、徳島市街地の中心部に位置しています。

地理的特徴

徳島城は吉野川河口付近の三角州に位置する標高61メートルの城山(渭山)に築かれました。この城山は形がイノシシに似ていることから「猪の山」とも呼ばれ、また中国の渭水の風景に似ているため「渭津」と名付けられたと伝えられています。

城の構造は、山頂部分の山城と山麓の平城部分を組み合わせた連郭式の平山城で、戦国末期から近世にかけての城郭建築の特徴を色濃く残しています。総面積は約6万平方メートルに及び、徳島藩25万石の威容を今に伝えています。

徳島城の歴史・沿革

築城以前の歴史

徳島城が築かれた城山には、中世にすでに城郭があったとされています。南北朝時代には細川頼之がこの地に城を構えたという記録があり、その後、三好氏、長宗我部氏と阿波国の支配者が変遷する中で、この要衝の地は重要な拠点として機能していました。

蜂須賀氏による築城

徳島城の本格的な築城は、天正13年(1585年)に始まります。豊臣秀吉による四国平定後、阿波国17万石余を与えられた蜂須賀家政が、秀吉の命を受けて築城に着手しました。

蜂須賀家政は、豊臣秀吉の重臣であった蜂須賀正勝(小六)の子で、父の功績により阿波国を拝領しました。築城工事は翌天正14年(1586年)に完成し、以降、徳島城は蜂須賀氏の居城として、また阿波藩(徳島藩)の政庁として明治維新まで約280年間にわたり機能し続けました。

江戸時代の発展

関ヶ原の戦い(1600年)では、蜂須賀氏は東軍(徳川方)に属して戦功を挙げました。大坂夏の陣(1615年)でも活躍し、その功績により淡路国が加増され、蜂須賀氏は阿波・淡路25万7千石の大名となりました。

江戸時代を通じて、徳島城は何度か改修が行われました。特に寛永年間(1624-1644年)には大規模な修築が行われ、石垣の強化や御殿の整備が進められました。また、城下町の整備も同時に進められ、徳島は阿波国の政治・経済・文化の中心地として発展しました。

明治以降の変遷

明治維新後の明治4年(1871年)、廃藩置県により徳島城は廃城となりました。明治6年(1873年)には陸軍省の管轄となり、多くの建造物が取り壊されました。天守をはじめとする主要建築物はこの時期に失われ、現在では石垣や堀、一部の門跡などが往時の姿を伝えるのみとなっています。

昭和28年(1953年)、徳島城跡は国の史跡に指定されました。さらに昭和29年(1954年)には、表御殿庭園が国の名勝に指定され、歴史的価値が公式に認められました。現在は徳島中央公園として整備され、市民の憩いの場として、また観光スポットとして多くの人々に親しまれています。

徳島城の構造と特徴

縄張りと城郭構成

徳島城は、標高61メートルの城山(本丸山)を中心とした山城部分と、その東側に広がる平城部分から構成される連郭式平山城です。この構造は、戦国時代の山城と近世の平城の特徴を併せ持つ、過渡期の城郭建築の典型例といえます。

城郭は大きく分けて以下の区画から成り立っていました:

山城部分

  • 本丸(城山山頂)
  • 東二の丸
  • 西二の丸
  • 西三の丸

平城部分

  • 表御殿(藩主の居館)
  • 東の丸
  • 西の丸

天守と主要建築物

徳島城には独立式層塔型三重三階の天守が存在しました。天守は本丸の東側に位置し、東面する形で建てられていました。この天守は寛永年間(1624-1644年)に建造されたとされ、比較的小規模ながら優美な姿であったと記録されています。

天守は明治8年(1875年)に解体されましたが、古写真や絵図が残されており、その姿を知ることができます。天守台の石垣は現在も良好な状態で残されており、往時の威容を偲ばせます。

その他、城内には多くの櫓や門が配置されていました。特に「鷲の門」は城の正門として重要な役割を果たしていました。現在の鷲の門は、平成元年(1989年)の徳島市制100周年を記念して復元されたもので、徳島城のシンボルとして親しまれています。

石垣の特徴

徳島城の石垣は、築城時期や改修時期によって様々な積み方が見られる点で注目されます。

野面積み:築城当初の石垣は、自然石をそのまま積み上げた野面積みで構築されました。特に本丸周辺の石垣にその特徴が見られます。

打込接ぎ:江戸時代の改修時には、石の角や面を加工して積む打込接ぎの技法が用いられました。

切込接ぎ:一部には、石を精密に加工して隙間なく積む切込接ぎの技法も見られます。

また、徳島城には「舌石(ぜつせき)」と呼ばれる珍しい屏風折塀の支柱石が残されています。これは塀を支えるための石で、その形状が舌に似ていることからこの名がついたとされ、徳島城の石造物の中でも特に貴重なものです。

石垣に使用された石材は、主に阿波の青石(緑色片岩)と呼ばれる地元産の石材で、独特の青みがかった色合いが特徴的です。この石材は徳島県を代表する石材で、徳島城の石垣に地域性を与えています。

表御殿庭園

徳島城の表御殿跡には、国の名勝に指定されている庭園が残されています。この庭園は、茶人として知られる上田宗箇(うえだそうこ)が作庭したと伝えられる池泉回遊式庭園です。

上田宗箇は武将でありながら茶道に通じ、広島城や名古屋城などの庭園も手がけた名園芸家です。徳島城の庭園は、桃山様式から江戸初期様式への過渡期の特徴を持ち、石組みや池の配置に優れた美意識が感じられます。

庭園内には、巨石を配した豪壮な石組みと、繊細な植栽が調和し、四季折々の美しい景観を楽しむことができます。特に春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉の時期には多くの観光客が訪れます。

城下町の発展

城下町の構造

徳島城を中心に発展した城下町は、阿波藍の生産と流通で繁栄しました。城下町は、武家地、町人地、寺社地に区分され、計画的に整備されました。

武家地:城の周辺には上級武士の屋敷が配置され、外敵からの防御ラインを形成していました。

町人地:新町川や助任川沿いには商人や職人の町が形成され、特に藍商人の豪商が軒を連ねました。

寺社地:城下の防衛拠点として、主要街道沿いに寺院が配置されました。

阿波藍と経済発展

徳島藩の経済を支えたのは、阿波藍(あわあい)の生産でした。藍は染料として全国的に需要があり、「藍より青し」という言葉の由来にもなった阿波藍は、特に品質が高いことで知られていました。

藍商人たちは巨万の富を築き、その経済力は城下町の発展に大きく貢献しました。現在も徳島市内には藍商人の屋敷跡や藍染めの伝統を伝える施設が残されています。

文化の発展

蜂須賀氏は文化振興にも力を入れ、徳島城下では能楽、茶道、華道などの文化が栄えました。また、阿波人形浄瑠璃は徳島を代表する伝統芸能として発展し、現在も受け継がれています。

現在の徳島城跡

徳島中央公園

現在、徳島城跡は徳島中央公園として整備され、市民の憩いの場となっています。公園内には約250本の桜が植えられており、春には「さくらまつり」が開催され、多くの花見客で賑わいます。

公園内の主な見どころ:

城山(本丸跡):山頂までは遊歩道が整備されており、徒歩約15分で登ることができます。山頂からは徳島市街地や吉野川を一望でき、晴れた日には眉山や四国山地の山々まで見渡せます。

石垣:各所に残る石垣は、築城当時から江戸時代にかけての様々な積み方を観察できる貴重な遺構です。

:内堀の一部が残されており、往時の城郭の規模を偲ばせます。

鷲の門:平成元年(1989年)に復元された城門で、徳島城のシンボルとして親しまれています。

徳島城博物館

徳島城の表御殿跡には、平成4年(1992年)に徳島城博物館が開館しました。博物館は徳島城と蜂須賀家、徳島藩の歴史を中心に展示しており、訪れる人々に徳島の歴史文化を伝えています。

主な展示内容

  • 蜂須賀家伝来の武具・甲冑:徳島藩主が所用した「紫糸威大鎧」をはじめとする貴重な甲冑コレクションが展示されています。近年は3Dデータ化プロジェクトも進められ、デジタルアーカイブとしても公開されています。
  • 徳島城の復元模型:往時の徳島城の姿を再現した精巧な模型が展示されており、失われた天守や御殿の様子を知ることができます。
  • 阿波藍関連資料:徳島藩の経済を支えた阿波藍に関する資料や道具類が展示されています。
  • 絵図・古文書:徳島城の絵図や蜂須賀家に伝わる古文書など、歴史研究上も貴重な資料が収蔵されています。

博物館では企画展や特別展も定期的に開催されており、徳島の歴史文化をより深く知ることができます。

旧徳島城表御殿庭園

博物館に隣接する旧徳島城表御殿庭園は、国の名勝に指定されている回遊式庭園です。入園は有料ですが、博物館との共通券も販売されています。

庭園内は四季折々の植物が楽しめるよう整備されており、特に春の桜、初夏のツツジ、秋の紅葉が見事です。また、庭園内には茶室も設けられており、抹茶を楽しむこともできます(要予約)。

アクセス情報

公共交通機関でのアクセス

JR利用:JR徳島駅から徒歩約10分。駅北口を出て北へ直進すると徳島中央公園に到着します。

バス利用:徳島市営バス「徳島城跡」バス停下車すぐ。徳島駅前から複数の路線が利用可能です。

自動車でのアクセス

高速道路:徳島自動車道「徳島IC」から約15分。国道11号、192号経由で市街地へ。

駐車場:徳島中央公園東側に有料駐車場あり(約90台収容)。料金は最初の1時間310円、以降30分ごとに100円(2024年現在)。

開園・開館時間

徳島中央公園:常時開放(無料)

徳島城博物館

  • 開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
  • 休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月28日~1月2日)
  • 観覧料:一般300円、高校・大学生200円、中学生以下無料(常設展)

旧徳島城表御殿庭園

  • 開園時間:午前9時~午後5時(入園は午後4時30分まで)
  • 休園日:博物館に同じ
  • 入園料:一般50円、高校・大学生30円、中学生以下無料
  • 博物館との共通券:一般340円、高校・大学生220円

周辺の観光スポット

眉山

徳島市のシンボルである眉山は、徳島城跡から南東約2キロに位置します。山頂まではロープウェイが運行しており、山頂展望台からは徳島市街地や紀伊水道、淡路島まで見渡せる絶景が楽しめます。

阿波おどり会館

徳島駅前にある阿波おどり会館では、一年中阿波おどりを体験できます。昼間の公演では、プロの踊り手による迫力ある踊りを鑑賞でき、観光客も踊りに参加できる体験コーナーもあります。

新町川水際公園

徳島城跡の南側を流れる新町川沿いには、遊歩道が整備された水際公園があります。春には桜並木が美しく、川面を眺めながらの散策が楽しめます。また、ひょうたん島クルーズという遊覧船も運航しており、水上から徳島の街並みを楽しむことができます。

徳島城の文化財指定

徳島城跡は、その歴史的・文化的価値が認められ、複数の文化財指定を受けています。

国指定史跡:昭和28年(1953年)3月31日指定
指定名称「徳島城跡」として、城山を中心とした城郭遺構が史跡指定されています。

国指定名勝:昭和29年(1954年)3月20日指定
旧徳島城表御殿庭園が名勝指定されており、江戸初期の大名庭園として貴重な文化財となっています。

日本100名城:平成18年(2006年)、財団法人日本城郭協会が選定した「日本100名城」の第76番に選ばれました。四国地方では、高知城、松山城、今治城、宇和島城、丸亀城、高松城と並ぶ名城として認定されています。

徳島城の年中行事

さくらまつり

毎年4月上旬、徳島中央公園では「徳島城さくらまつり」が開催されます。約250本の桜が咲き誇り、夜間はライトアップも実施されます。期間中は屋台も出店し、多くの花見客で賑わいます。

徳島城博物館の企画展

徳島城博物館では、年間を通じて様々な企画展・特別展が開催されます。蜂須賀家伝来の美術工芸品、徳島藩の歴史、阿波藍、阿波人形浄瑠璃など、徳島の歴史文化に関する多彩なテーマの展示が行われます。

徳島城を訪れる際のポイント

見学所要時間

徳島城跡の見学には、以下の時間配分を目安にしてください:

  • 公園内散策のみ:30分~1時間
  • 城山登山を含む:1時間~1時間30分
  • 博物館見学を含む:2時間~2時間30分
  • 庭園鑑賞を含む:2時間30分~3時間

おすすめの見学ルート

  1. 鷲の門から入園
  2. 徳島城博物館で歴史を学ぶ
  3. 旧徳島城表御殿庭園を鑑賞
  4. 石垣を観察しながら城山へ登山
  5. 本丸跡から市街地を展望
  6. 下山後、内堀周辺を散策

撮影スポット

  • 鷲の門:復元された城門は徳島城の代表的な撮影スポット
  • 本丸跡からの眺望:徳島市街地と吉野川を一望できる絶景ポイント
  • 石垣:様々な積み方の石垣は城郭ファン必見
  • 表御殿庭園:四季折々の美しい庭園風景
  • 内堀と桜:春には桜と堀の組み合わせが美しい

服装と持ち物

城山に登る場合は、以下の準備をおすすめします:

  • 歩きやすい靴(スニーカーなど)
  • 動きやすい服装
  • 飲み物(特に夏季)
  • 虫除けスプレー(夏季)
  • 雨具(天候不安定な時期)

城山の遊歩道は整備されていますが、一部急な階段もあるため、足元には注意が必要です。

まとめ

徳島城は、蜂須賀氏が280年にわたり居城とした歴史ある城郭で、現在は国の史跡・名勝として保護されています。天守などの建造物は失われましたが、石垣や堀、庭園などの遺構が良好に保存されており、往時の姿を偲ぶことができます。

JR徳島駅から徒歩圏内という好立地にあり、徳島中央公園として市民に親しまれながらも、徳島城博物館では蜂須賀家や徳島藩の歴史を深く学ぶことができます。四季折々の自然も美しく、特に春の桜の時期は多くの観光客で賑わいます。

徳島を訪れた際には、ぜひ徳島城跡に足を運び、阿波25万石の歴史と文化に触れてみてください。城山からの眺望、美しい庭園、そして博物館の展示を通じて、徳島の歴史をより深く理解することができるでしょう。

地図

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