掛川城

所在地 〒436-0079 静岡県掛川市掛川1138−24
公式サイト https://kakegawajo.com/

掛川城完全ガイド|日本初の本格木造復元天守と国宝級御殿の魅力を徹底解説

静岡県掛川市に位置する掛川城は、「東海の名城」として知られる美しい城郭です。平成6年(1994年)に日本初の本格木造天守閣として復元され、現存する御殿とともに多くの観光客を魅了しています。本記事では、掛川城の歴史から見どころ、実用的な観光情報まで、訪問前に知っておきたいすべての情報を網羅的に解説します。

掛川城とは|東海の名城の概要

掛川城(かけがわじょう)は、静岡県掛川市掛川に位置する平山城です。戦国時代には東海道を扼する遠江国東部の重要拠点として、幾度も争奪戦の舞台となりました。現在見られる城郭は、日本100名城にも選定されており、歴史的価値と観光資源としての両面で高く評価されています。

掛川城の最大の特徴は、平成6年4月に完成した日本初の本格木造復元天守閣です。伝統工法を用いた木造建築として復元されたこの天守閣は、単なる外観の再現ではなく、構造から材料まで当時の技術を忠実に再現しています。さらに、国指定重要文化財である掛川城御殿が現存しており、天守閣と御殿の両方を見学できる貴重な城郭として知られています。

掛川城の歴史|室町時代から現代までの変遷

築城の経緯と今川氏時代

掛川城の築城は室町時代に遡ります。駿河国(現在の静岡県中部)の守護大名であった今川氏が遠江国への進出を図り、家臣の朝比奈氏に命じて築城させたのが始まりです。築城時期については諸説ありますが、明応6年から文亀元年(1497年~1501年)頃、または永正10年(1513年)とされています。

朝比奈氏は逆川の北沿岸にある龍頭山に城を築き、今川氏の遠江支配の拠点としました。この時代の掛川城は、今川家の重要な軍事拠点として機能していました。

徳川家康による掛川城攻め

永禄11年(1568年)、掛川城と徳川家康の関係が始まります。今川家当主の今川氏真が掛川城に立てこもると、徳川家康が攻め込む「掛川城攻め(掛川城の戦い)」が発生しました。この戦いは今川家の衰退を象徴する出来事となり、掛川城は徳川勢力圏へと移行していきます。

山内一豊による城郭整備

掛川城の歴史において最も重要な人物が山内一豊です。天正18年(1590年)、豊臣秀吉の命により、山内一豊が掛川城主として入城しました。「内助の功」の逸話で有名な一豊は、掛川城主として10年間在城し、この間に城郭の大規模な拡張と整備を行いました。

現在見られる掛川城の基本的な構造は、この山内一豊の時代に形作られたものです。天守閣や大手門などの主要建築物が建設され、梯郭式(ていかくしき)の平山城としての形態が完成しました。一豊が築いた掛川城は、その美しさから「東海の名城」と称賛されるようになります。

江戸時代の掛川城

江戸時代に入ると、掛川城は譜代大名の居城として重要な役割を果たしました。東海道の要衝に位置することから、幕府にとって戦略的に重要な城郭でした。この時期には複数の大名家が城主を務め、城下町も発展を遂げました。

安政の大地震と廃城

嘉永7年(1854年)、掛川城は大きな転機を迎えます。安政の東海大地震により、天守閣をはじめとする城郭の大半が損壊してしまったのです。この地震被害は甚大で、美しかった天守閣は崩壊しました。

その後、明治維新を経て明治期に廃城となり、掛川城の多くの建物は取り壊されました。しかし、幸いにも御殿などの一部建物は保存され、現在まで残ることとなります。

平成の復元事業

昭和から平成にかけて、掛川城復元の機運が高まります。そして平成6年(1994年)4月、掛川城天守閣が日本初の本格木造天守閣として復元されました。この復元事業は、鉄筋コンクリートではなく伝統的な木造建築技術を用いた点で画期的でした。

復元にあたっては、残された資料や絵図、同時代の城郭建築を参考に、可能な限り忠実な再現が目指されました。現代の建築基準法をクリアしながらも、伝統工法を最大限に活用したこの復元天守閣は、文化財保護と観光振興の両立を実現した成功例として高く評価されています。

掛川城天守閣|日本初の本格木造復元の魅力

木造復元天守閣の特徴

掛川城天守閣は、高さ約20メートルの三層四階の構造を持つ美しい天守です。最大の特徴は、日本で初めて本格的な木造建築として復元された点にあります。鉄筋コンクリート造りが主流だった城郭復元において、伝統工法による木造復元は革新的な試みでした。

天守内部に入ると、木の香りと温もりを感じることができます。柱や梁には太い木材が使用され、釘を極力使わない伝統的な組み方が採用されています。階段は急勾配で、当時の城郭建築の特徴を体感できます。

天守閣からの眺望

掛川城天守閣の最上階からは、掛川市街を一望できる素晴らしい眺望が広がります。晴れた日には遠く富士山を望むこともでき、東海道の要衝としての立地の重要性を実感できます。四季折々の景色も美しく、春には周辺の桜、冬には雪化粧した富士山など、訪れる季節によって異なる表情を楽しめます。

展示内容

天守閣内部には、掛川城の歴史や復元過程に関する展示があります。山内一豊の時代の資料、城郭の変遷を示す模型、復元工事の写真などが展示され、掛川城の歴史を深く理解できる内容となっています。

掛川城御殿|現存する貴重な建物

国指定重要文化財の価値

掛川城御殿は、全国でも数少ない現存する城郭御殿の一つです。京都の二条城、川越城、高知城と並び、現存する御殿として国の重要文化財に指定されています。嘉永7年(1854年)の安政の大地震後に再建されたもので、江戸時代後期の建築様式を今に伝える貴重な建物です。

御殿の構造と見どころ

掛川城御殿は、藩主の公邸として使用された建物で、書院造りの格式高い建築です。畳敷きの部屋が連なり、襖絵や欄間彫刻など、江戸時代の美意識を感じられる装飾が随所に見られます。

特に注目すべきは、各部屋の用途に応じた格式の違いです。藩主が謁見を行った上段の間、家臣との会議に使われた部屋、日常生活の場など、それぞれの空間が当時の使われ方を想像させてくれます。

御殿内部の展示

御殿内部では、江戸時代の大名の生活を紹介する展示が行われています。当時使用されていた調度品のレプリカや、藩政に関する資料などが展示され、歴史的な理解を深めることができます。

二の丸茶室|風雅な茶の湯空間

掛川城の敷地内には、二の丸茶室という茶室があります。この茶室は、掛川城の歴史的雰囲気を活かした風雅な空間で、実際にお茶を楽しむことができる施設です。

茶室からは掛川城天守閣を望むことができ、抹茶と和菓子をいただきながら、ゆったりとした時間を過ごせます。城郭観光の休憩スポットとしても人気で、日本の伝統文化を体験できる貴重な場所となっています。

竹の丸|武家屋敷の雰囲気を残す施設

掛川城の関連施設として、竹の丸があります。これは掛川城の南東に位置する武家屋敷で、江戸時代後期の建築様式を今に伝えています。掛川城とセットで訪れることで、城郭だけでなく、当時の武家の生活空間も理解できます。

竹の丸は明治時代以降、様々な用途で利用されてきましたが、現在は一般公開され、歴史的建造物として保存されています。庭園も美しく、四季折々の植物を楽しむことができます。

掛川城の見どころ|観光スポット詳細

大手門と城郭遺構

掛川城の入口となる大手門周辺には、石垣や堀などの城郭遺構が残されています。これらの遺構は、戦国時代から江戸時代にかけての城郭建築の技術を示す重要な資料です。特に石垣の積み方には、時代による違いが見られ、城郭マニアにとっては見逃せないポイントとなっています。

桜の名所としての掛川城

掛川城周辺には、四季桜、ソメイヨシノ、しだれ桜など約130本の桜が植えられており、春には桜の名所として多くの花見客で賑わいます。天守閣と桜のコントラストは絶景で、写真撮影スポットとしても人気です。

桜の開花時期には、夜間ライトアップも実施され、幻想的な夜桜と天守閣の姿を楽しむことができます。

忍者の日イベント

掛川城では、毎月第1・第3日曜日を「忍者の日」として、特別なイベントを開催しています。子供向けの忍者体験や、忍者衣装での記念撮影など、家族連れに人気のプログラムが用意されています。

詳細情報|入館料・営業時間・アクセス

入館料

掛川城の入館料は以下の通りです:

  • 掛川城天守閣・御殿セット券:大人410円、小中学生150円
  • 掛川城・二の丸茶室・竹の丸セット券:大人510円、小中学生200円

団体割引や年間パスポートなども用意されており、複数回訪問する場合はお得に利用できます。

営業時間・休館日

  • 営業時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
  • 休館日:年中無休(ただし、臨時休館の場合あり)

※季節やイベントにより営業時間が変更される場合があるため、訪問前に公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。

アクセス情報

電車でのアクセス

  • JR東海道本線「掛川駅」から徒歩約7分
  • 掛川駅北口を出て、掛川城方面へ直進すると到着します

車でのアクセス

  • 東名高速道路「掛川IC」から約5分
  • 新東名高速道路「森掛川IC」から約10分

駐車場

  • 掛川城公園駐車場:58台(有料)
  • 大手門駐車場:200台(有料)
  • 周辺に複数の有料駐車場あり

駐車料金は1時間100円程度で、観光に便利な立地です。

掛川城周辺の観光スポット

掛川花鳥園

掛川城から車で約10分の距離にある掛川花鳥園は、様々な鳥類と触れ合える人気施設です。掛川城とセットで訪れる観光客も多く、一日かけて掛川を楽しむコースとしておすすめです。

資生堂アートハウス・企業資料館

掛川市には資生堂の工場があり、その敷地内にアートハウスと企業資料館が設置されています。美術品の展示や資生堂の歴史を学べる施設で、入館無料です。

掛川市街散策

掛川城を中心とした城下町には、歴史的な建物や商店街が残っています。地元のグルメや土産物店を巡りながら、のんびりと散策するのも楽しみ方の一つです。

掛川城の楽しみ方|季節別おすすめ

春(3月~5月)

春は桜の季節です。約130本の桜が咲き誇る掛川城は、この時期が最も華やかです。桜まつりも開催され、夜桜ライトアップも実施されます。天守閣と桜のコラボレーションは必見です。

夏(6月~8月)

新緑が美しい季節で、天守閣からの眺望も爽やかです。二の丸茶室で冷たい抹茶をいただきながら、涼を感じるのもおすすめです。

秋(9月~11月)

紅葉の季節には、城郭周辺の木々が色づき、天守閣との調和が美しい景色を作り出します。秋晴れの日には、天守閣から富士山がくっきりと見えることも多く、絶好の撮影日和となります。

冬(12月~2月)

冬の澄んだ空気の中で見る掛川城は、凛とした美しさがあります。雪化粧した富士山を天守閣から望める日もあり、幻想的な景色を楽しめます。

掛川城の撮影スポット

定番アングル

掛川城の定番撮影スポットは、大手門から天守閣を見上げるアングルです。石垣と天守閣が一緒に収まり、城郭の威厳を感じられる構図となります。

桜と天守のコラボレーション

春の桜シーズンには、桜越しに天守閣を撮影するのがおすすめです。特にしだれ桜と天守閣の組み合わせは、優美な日本の風景を演出してくれます。

夜景・ライトアップ

夜間ライトアップされた掛川城は、昼間とは異なる幻想的な雰囲気を醸し出します。特に桜の季節のライトアップは人気が高く、多くのカメラマンが訪れます。

掛川城を訪れる際の注意点

天守閣の階段について

掛川城天守閣の階段は、当時の様式を再現した急勾配となっています。特に下りは注意が必要で、動きやすい服装と靴で訪問することをおすすめします。小さなお子様や足腰に不安のある方は、手すりをしっかり持って昇降してください。

所要時間の目安

掛川城天守閣と御殿をじっくり見学する場合、所要時間は約1~1.5時間が目安です。二の丸茶室や竹の丸も含めて訪問する場合は、2~3時間程度を見込むとよいでしょう。

写真撮影について

天守閣や御殿内部での写真撮影は基本的に可能ですが、フラッシュの使用や三脚の使用には制限がある場合があります。また、他の来場者の迷惑にならないよう配慮しましょう。

まとめ|掛川城の魅力を満喫しよう

掛川城は、日本初の本格木造復元天守閣と現存する国指定重要文化財の御殿を併せ持つ、全国的にも貴重な城郭です。室町時代の築城から山内一豊による整備、安政の大地震での損壊、そして平成の復元まで、長い歴史を持つこの城は、「東海の名城」の名にふさわしい美しさと歴史的価値を兼ね備えています。

掛川駅から徒歩7分という好アクセスも魅力で、東海道を旅する際の立ち寄りスポットとして最適です。天守閣からの眺望、御殿での歴史体験、二の丸茶室での一服、そして四季折々の自然美と、様々な楽しみ方ができる掛川城。静岡県を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

掛川城は単なる観光施設ではなく、日本の城郭建築技術と歴史を後世に伝える重要な文化財です。訪れることで、戦国時代から現代まで続く日本の歴史の一端に触れ、先人たちの知恵と技術を体感できるでしょう。掛川城での体験が、日本の歴史や文化への理解を深めるきっかけとなれば幸いです。

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