久留里城

久留里城
所在地 〒292-0422 千葉県君津市久留里字内山
公式サイト http://www.city.kimitsu.lg.jp/site/kanko/491.html

久留里城完全ガイド|君津市の歴史と魅力を徹底解説【千葉県】

千葉県君津市に位置する久留里城は、房総半島を代表する歴史的な山城として、多くの歴史愛好家や観光客に親しまれています。別名「雨城(うじょう)」「霧降城」「浦田城」とも呼ばれるこの城は、室町時代から江戸時代まで約500年にわたり、上総地方の政治・軍事の中心地として重要な役割を果たしてきました。

本記事では、久留里城の歴史的背景から見どころ、君津市立久留里城址資料館の展示内容、アクセス方法、周辺観光情報まで、久留里城を訪れる際に知っておきたい情報を網羅的に解説します。

久留里城の歴史|室町時代から明治維新まで

築城と上総武田氏の時代

久留里城の歴史は、室町時代に遡ります。享徳3年(1454年)頃、上総武田氏の武田信長によって築かれたとされています。武田信長は甲斐武田氏の一族で、上総国に勢力を拡大する過程で、この地に山城を構えました。

久留里の地は、房総半島の内陸部に位置し、周囲を山に囲まれた天然の要害でした。標高145メートルの城山(久留里城山)に築かれた城は、周辺地域を見渡せる戦略的要地として機能しました。

戦国時代と里見氏の居城

戦国時代に入ると、久留里城は房総半島の覇権を巡る争いの舞台となります。天文年間(1532年~1555年)には、安房国を本拠とする里見氏がこの地を支配下に置きました。里見氏は北条氏との抗争を繰り返しながら、久留里城を上総支配の拠点として重視しました。

特に里見義堯(よしたか)、義弘(よしひろ)の時代には、久留里城は里見氏の主要な居城の一つとして機能し、数々の合戦の舞台となりました。永禄年間(1558年~1570年)には、北条氏との激しい攻防が繰り広げられ、城の防御機能が強化されました。

江戸時代の久留里藩

江戸時代に入ると、久留里城は久留里藩の藩庁として新たな役割を担います。慶長19年(1614年)、土屋忠直が3万石で入封したことに始まり、以後、大須賀氏、黒田氏と城主が変遷しました。

寛永元年(1624年)には、黒田直純が3万石で入封し、以後、黒田氏が9代にわたって久留里藩を統治しました。江戸時代の久留里城は、山城としての軍事的機能よりも、藩政の中心地としての役割が重視され、城下町の整備が進められました。

明治維新と廃城

明治維新を迎えると、久留里藩は版籍奉還により久留里県となり、その後木更津県を経て千葉県に編入されました。明治6年(1873年)の廃城令により、久留里城は正式に廃城となり、建造物の多くは取り壊されました。

「雨城」の伝説|久留里城の別名の由来

久留里城は「雨城(うじょう)」という美しい別名で知られています。この名前には、いくつかの興味深い伝説が伝わっています。

21回の雨の伝説

最も有名な伝説は、「城の完成後、3日に一度、21回雨が降った」というものです。この不思議な現象が、城に「雨城」という別名をもたらしたとされています。この伝説は、城の神秘性を高め、敵に対する心理的な威圧効果があったと考えられています。

霧と雨の自然現象

もう一つの説は、地理的な特性に基づくものです。「この山にはよく霧がかかり、遠くから見ると雨が降っているように見え、城の姿が隠し覆われ敵の攻撃を受けにくかった」という記録が残っています。

実際、久留里城が位置する城山は、周囲の地形や気候の影響で霧が発生しやすい環境にあります。この自然現象が、城の防御に有利に働いたことから、「雨城」「霧降城」という別名が生まれたと考えられています。

現在の久留里城|城山公園と模擬天守

再建された天守閣

現在、久留里城の本丸跡には、昭和54年(1979年)に再建された二層三階の模擬天守が建っています。この天守閣は、歴史的な資料に基づいて設計されたものではなく、展望台としての機能を持つ模擬建築物です。

天守閣からは、君津市街地や周辺の山々を一望でき、晴れた日には房総半島の美しい景観を楽しむことができます。特に桜の季節には、城山公園全体が桜で彩られ、多くの花見客で賑わいます。

城山公園としての整備

久留里城跡は「城山公園」として整備され、市民の憩いの場となっています。公園内には、遊歩道が整備されており、自然散策を楽しみながら城跡を巡ることができます。

本丸、二の丸、三の丸などの曲輪(くるわ)の跡が残されており、往時の城郭の構造を想像することができます。また、空堀や土塁などの遺構も保存されており、中世から近世にかけての城郭建築の変遷を学ぶことができます。

君津市立久留里城址資料館|見どころと展示内容

資料館の概要

君津市立久留里城址資料館は、昭和54年(1979年)8月1日に開館した歴史資料館です。二の丸跡に建てられた資料館は、久留里城の歴史だけでなく、君津市全体の歴史と文化を紹介する施設として機能しています。

入館料は無料で、誰でも気軽に訪れることができます。開館時間は9時から16時30分まで、月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始が休館日となっています。

3部構成の常設展示

資料館の常設展示は、「郷土を掘る」「城と武士」「信仰と文化」の3部構成となっており、それぞれのテーマで君津市の歴史を深く掘り下げています。

郷土を掘るでは、市内の遺跡から出土した土器、石器、埋蔵文化財などを展示し、古代から中世にかけての君津地域の歴史を紹介しています。縄文時代から弥生時代、古墳時代へと続く人々の暮らしの変遷を、実際の出土物を通じて学ぶことができます。

城と武士では、久留里城の歴史と、この地を治めた武士たちの生活を紹介しています。刀剣、鉄砲、甲冑、武具などの実物展示があり、戦国時代から江戸時代にかけての武士の姿を具体的にイメージすることができます。特に、里見氏や久留里藩主が使用した調度品は、当時の武家文化の水準の高さを物語っています。

信仰と文化では、地域の神社仏閣に伝わる絵馬、神楽道具、仏像などを展示し、民衆の信仰と文化活動を紹介しています。江戸時代の庶民の精神世界や、地域に根付いた伝統文化を知ることができます。

上総掘りの展示

資料館の特徴的な展示の一つが、「上総掘り(かずさぼり)」の用具展示です。上総掘りは、君津市を含む上総地域で発祥した井戸掘削技術で、明治時代から昭和初期にかけて全国に普及しました。

この技術は、竹製のヒゴを組み合わせた独特の掘削装置を使用するもので、深い井戸を効率的に掘ることができました。資料館では、実際に使用された上総掘りの道具を展示し、この地域独自の技術の発展を紹介しています。上総掘りは、現在でも発展途上国での井戸掘りに応用されており、国際協力の分野でも注目されています。

アクセス情報|久留里城への行き方

公共交通機関でのアクセス

JR久留里線を利用する場合

  • JR内房線木更津駅でJR久留里線に乗り換え
  • 久留里駅下車、徒歩約35分(約2.5km)
  • 久留里駅からタクシー利用の場合は約5分

JR久留里線は本数が少ないため、事前に時刻表を確認することをおすすめします。久留里駅から城までの道のりは、城下町の風情を感じながら歩くことができ、徒歩での移動も楽しめます。

自動車でのアクセス

首都圏方面から

  • 館山自動車道君津ICから約20分(約12km)
  • 圏央道木更津東ICから約25分(約15km)

城山公園には無料駐車場が整備されており、普通車約30台が駐車可能です。ただし、桜の季節など混雑時には満車になることもあるため、早めの到着をおすすめします。

所在地と連絡先

久留里城(城山公園)

  • 住所:千葉県君津市久留里字内山

君津市立久留里城址資料館

  • 住所:千葉県君津市久留里字内山
  • 電話番号:0439-27-3478
  • 開館時間:9:00~16:30
  • 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始
  • 入館料:無料

久留里城周辺の観光スポット

久留里の名水

久留里地区は、「平成の名水百選」に選ばれた清らかな湧水で知られています。城下町の各所に水汲み場が設置されており、地元の人々だけでなく、遠方からも水を汲みに訪れる人が絶えません。

久留里の水は、房総丘陵の地層を通って湧き出る軟水で、まろやかな口当たりが特徴です。この名水は、久留里の酒造りにも使用されており、地酒「久留里城」の美味しさの源となっています。

久留里の城下町散策

久留里の町並みには、江戸時代の城下町の面影が残されています。狭い路地や古い商家、蔵などが点在し、歴史を感じながらの散策が楽しめます。

特に、城下町の中心部には、老舗の酒蔵や醤油蔵があり、伝統的な製法で作られた地域の特産品を購入することができます。久留里の地酒は、名水を使った繊細な味わいで知られており、お土産としても人気があります。

季節ごとの見どころ

春(3月下旬~4月上旬)
城山公園は桜の名所として知られており、約200本のソメイヨシノが咲き誇ります。桜の季節には、天守閣と桜のコントラストが美しく、多くの写真愛好家が訪れます。

夏(7月~8月)
緑豊かな城山は、夏でも比較的涼しく、自然散策に最適です。蝉の声が響く中、歴史に思いを馳せながらの散策が楽しめます。

秋(11月~12月)
紅葉の季節には、城山全体が赤や黄色に染まり、美しい景観を楽しむことができます。特に天守閣からの眺望は絶景です。

冬(12月~2月)
空気が澄んだ冬の日には、天守閣から富士山を望むこともできます。静かな冬の城山は、じっくりと歴史を学ぶのに適した季節です。

久留里城の文化財としての価値

房総半島の代表的城郭

久留里城は、房総半島における中世から近世にかけての城郭の代表格として、高い歴史的価値を持っています。山城から平山城への移行期の特徴を残しており、城郭研究の重要な資料となっています。

城跡に残る曲輪、土塁、空堀などの遺構は、戦国時代の築城技術を今に伝える貴重な資料です。特に、山頂部の本丸から山麓にかけて段階的に配置された曲輪群は、中世山城の典型的な構造を示しています。

保存と活用の取り組み

君津市では、久留里城跡の保存と活用に積極的に取り組んでいます。定期的な調査や整備を行い、遺構の保存状態を維持しながら、観光資源としての活用を図っています。

資料館での展示や解説、ガイドツアーの実施など、訪問者が久留里城の歴史と価値を理解できるような取り組みも行われています。また、地域の学校教育においても、郷土の歴史を学ぶ教材として活用されています。

訪問時の注意点とおすすめ

服装と持ち物

久留里城は山城であり、天守閣までは坂道や階段を登る必要があります。歩きやすい靴と動きやすい服装での訪問をおすすめします。特に雨の日は足元が滑りやすくなるため、注意が必要です。

夏場は虫除けスプレー、帽子、飲み物を持参すると良いでしょう。また、カメラを持参すれば、美しい景観や歴史的な建造物を撮影できます。

所要時間の目安

資料館の見学と天守閣への登城を含めて、所要時間は約1時間30分~2時間程度です。城下町の散策や周辺の観光スポットを巡る場合は、半日程度の時間を確保すると良いでしょう。

写真撮影のポイント

天守閣と桜のコントラストは、春の定番撮影スポットです。また、天守閣からの眺望も撮影に値します。城下町の古い町並みや、名水の湧水場なども、フォトジェニックなスポットとして人気があります。

まとめ|久留里城で歴史と自然を満喫

千葉県君津市の久留里城は、室町時代から江戸時代まで続いた長い歴史を持つ山城です。「雨城」という美しい別名で知られ、伝説と自然現象が織りなす神秘的な雰囲気を今に伝えています。

現在は城山公園として整備され、再建された模擬天守や君津市立久留里城址資料館を通じて、地域の歴史と文化を学ぶことができます。房総半島の代表的な城郭として、また周辺に残る数々の遺構は、往時の面影を今に伝える貴重な文化財です。

桜の季節の美しさ、名水百選に選ばれた湧水、城下町の風情など、久留里城周辺には魅力的な観光資源が豊富にあります。歴史愛好家だけでなく、自然散策や写真撮影を楽しむ人々にもおすすめのスポットです。

君津市を訪れる際には、ぜひ久留里城に足を運び、房総の歴史と自然の魅力を体感してください。無料で見学できる資料館と、四季折々の美しい景観が、訪れる人々を温かく迎えてくれます。

このページに関するお問い合わせ先

久留里城や君津市の観光情報については、以下にお問い合わせください。

君津市経済部経済振興課観光振興係

  • 住所:千葉県君津市久保2丁目13番1号
  • 電話:0439-56-1325
  • FAX:0439-56-1314

君津市立久留里城址資料館

  • 電話:0439-27-3478

君津市公式ホームページでは、久留里城に関する最新情報や、周辺観光スポット、イベント情報なども掲載されています。訪問前に確認することをおすすめします。

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