竹田城

所在地 〒669-5252 兵庫県朝来市和田山町竹田古城山169番地
公式サイト https://www.city.asago.hyogo.jp/site/takeda/

竹田城完全ガイド|天空の城の歴史・雲海・アクセス・観覧情報を徹底解説

竹田城とは|日本のマチュピチュと呼ばれる天空の城

竹田城(たけだじょう)は、兵庫県朝来市和田山町竹田に位置する標高353.7メートルの古城山山頂に築かれた山城です。縄張りが虎が臥せているように見えることから「虎臥城(とらふすじょう、こがじょう)」とも呼ばれ、国史跡に指定されています。

城下から遥か高く見上げる山頂に位置し、秋から冬にかけて円山川から立ち上る川霧により雲海に包まれる幻想的な光景から「天空の城」や「日本のマチュピチュ」として全国的に知られるようになりました。完存する石垣遺構としては全国屈指の規模を誇り、日本100名城にも選定されています。

近年では映画やドラマのロケ地としても使用され、国内外から年間数十万人もの観光客が訪れる但馬地域を代表する観光スポットとなっています。

竹田城の歴史|室町時代から江戸時代初期まで

城の創建と太田垣氏の時代

竹田城の始まりは、嘉吉年間(1441年〜1443年頃)に但馬守護山名宗全が配下の太田垣氏に命じて築かせたのが始まりとされます。当初は土塁を主体とした中世山城で、山名氏の但馬支配の拠点として機能しました。

太田垣氏は初代光景(誠朝という説もあり)以下、7代にわたって城主を務めました。太田垣氏は山名氏の重臣として但馬国内で重要な役割を果たし、竹田城を拠点に南但馬一帯を統治していました。

織田信長の但馬侵攻と城主交代

1569年(永禄12年)、織田信長の命を受けた羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)が但馬に侵攻しました。当時の城主・太田垣輝延は織田方に降伏し、竹田城は織田氏の支配下に入ります。

その後、1577年(天正5年)には秀吉の但馬平定が完了し、竹田城は織田家臣団の手に渡りました。1580年(天正8年)頃には羽柴秀長(秀吉の弟)の配下となり、但馬経営の重要拠点として位置づけられます。

赤松広英による石垣城郭への大改修

現在見られる壮大な石垣遺構は、1585年(天正13年)に新城主となった赤松広英によって築かれました。赤松広英は豊臣秀吉の信任厚く、但馬国内で13,000石を領する大名でした。

赤松広英は太田垣氏時代の土塁中心の城を、安土・桃山時代の最新技術を用いた総石垣造りの近世山城へと大改修しました。自然石を巧みに組み合わせた「野面積み」と呼ばれる石積み技法が用いられ、400年以上経過した現在でも当時の威容を保っています。

竹田城は円山川を経て銀山のある生野へと通じる交通の要衝に位置し、南但馬を押さえる軍事・経済両面での拠点として機能しました。

廃城と現代への継承

1600年(慶長5年)の関ヶ原の戦い後、最後の城主となった赤松広英(または赤松広秀)は西軍に与したため改易され、竹田城は廃城となりました。わずか15年ほどの使用期間でしたが、この短期間に築かれた石垣が現在まで残る貴重な遺構となっています。

廃城後は長く放置されていましたが、1943年(昭和18年)に国史跡に指定され、保存が図られるようになりました。平成以降、朝来市による整備事業が進められ、2006年(平成18年)には「日本100名城」に選定されました。

歴代城主一覧

竹田城の歴代城主は以下の通りです。

太田垣氏時代(1441年頃〜1577年)

  • 初代:太田垣光景(誠朝)
  • 2代〜6代:詳細不明
  • 7代:太田垣輝延(1569年に織田方へ降伏)

織田・豊臣政権時代(1577年〜1600年)

  • 羽柴秀長配下の時期(1580年頃)
  • 桑山重晴(1585年頃)
  • 赤松広英(1585年〜1600年、最後の城主)

赤松広英は関ヶ原の戦い後の混乱期に鳥取城攻めの際の放火責任を問われ切腹を命じられ、竹田城は廃城となりました。

城郭の構造|完存する石垣遺構の特徴

縄張りと配置

竹田城は古城山の山頂(標高353.7メートル)を中心に、南北約400メートル、東西約100メートルにわたって石垣と曲輪が配置された梯郭式(ていかくしき)の山城です。

中心となる本丸は山の最高地点に置かれ、その周囲に:

  • 二の丸(北側)
  • 三の丸(西側)
  • 南二の丸(南側)
  • 東丸(東側)
  • 北千畳(北側の広い曲輪)
  • 南千畳(南側の広い曲輪)

などの曲輪が配置されています。この縄張りが虎が伏せた姿に見えることから「虎臥城」の別名がつけられました。

石垣の特徴と技法

竹田城の石垣は「野面積み」と呼ばれる技法で築かれています。野面積みとは、自然石をほとんど加工せずに積み上げる方法で、石と石の間に小石を詰めることで安定性を高めています。

石垣の高さは場所によって異なりますが、最も高い部分で約10メートルに達します。総延長は約1,000メートルにおよび、山城としては例外的な規模を誇ります。

特に本丸周辺の石垣は保存状態が良好で、築城当時の姿をほぼそのまま残しています。石垣の反りや角度の計算は安土・桃山時代の高度な築城技術を示しており、城郭建築史上でも貴重な遺構とされています。

遺構の現状

竹田城には天守閣などの建造物は残っていませんが、石垣と曲輪は良好な状態で保存されています。発掘調査により、かつて本丸には天守台があったことが確認されていますが、天守が実際に建てられたかどうかは不明です。

現在見学できる主な遺構:

  • 本丸石垣と天守台
  • 各曲輪の石垣
  • 虎口(城門跡)
  • 石段
  • 井戸跡

これらの遺構は国史跡として保護されており、朝来市による継続的な保存整備が行われています。

雲海|天空の城の絶景を楽しむ

雲海が発生するメカニズム

竹田城が「天空の城」として知られるようになった最大の理由が、雲海に浮かぶ幻想的な光景です。円山川が流れる朝来盆地は、地形的に雲海(朝霧)が発生しやすい条件が揃っています。

雲海発生の条件:

  1. 前日の日中と夜間の気温差が大きい
  2. 湿度が高く、風が弱い
  3. 快晴または薄曇りの天候

これらの条件が揃うと、円山川から立ち上る水蒸気が盆地に滞留し、朝方に濃い霧となって雲海を形成します。

雲海のベストシーズンと時間帯

最適シーズン

雲海が最も発生しやすいのは9月から11月の秋季、次いで12月から2月の冬季です。特に9月下旬から11月下旬にかけては発生確率が高く、多くの観光客が訪れます。

春(3月〜5月)も「スプリングシーズン」として雲海が見られることがありますが、秋冬に比べると発生頻度は低くなります。

観覧時間

雲海を見るベストタイムは日の出前後の午前6時から午前8時頃です。この時間帯に雲海が最も美しく、太陽光が雲海を照らす幻想的な光景が見られます。

午前8時を過ぎると気温上昇により雲海が消散し始めるため、早朝の訪問が推奨されます。

雲海観覧スポット

竹田城の雲海を楽しむスポットは主に2つあります。

1. 竹田城跡内からの眺望

城跡内からは360度のパノラマビューで周囲の山々と雲海を見渡せます。石垣と雲海のコントラストが美しく、城跡そのものが雲海に浮かぶ体験ができます。

2. 立雲峡からの眺望

竹田城の対岸にある立雲峡は、竹田城跡を雲海越しに眺められる絶好の撮影スポットです。「天空の城」の代表的な写真の多くはこの場所から撮影されています。立雲峡には第一展望台から第三展望台まであり、それぞれ異なる角度から竹田城を望めます。

開城時間・観覧料|訪問前に確認すべき情報

入城時間(シーズン別)

竹田城跡の入城時間は季節によって異なります。

スプリングシーズン(3月1日〜5月31日)

  • 午前6時〜午後6時(最終登城午後5時30分)

サマーシーズン(6月1日〜8月31日)

  • 午前6時〜午後6時(最終登城午後5時30分)

雲海シーズン(9月1日〜11月30日)

  • 午前4時〜午後5時(最終登城午後4時30分)
  • ※雲海観覧のため早朝開城

ウィンターシーズン(12月1日〜翌年1月3日)

  • 午前10時〜午後2時(最終登城午後1時)

1月4日〜2月末日

  • 閉山期間(入城不可)

観覧料

  • 大人(高校生以上):500円
  • 中学生以下:無料

年間パスポート(朝来市民限定)もあります。

休城日

  • 1月4日〜2月末日(冬季閉山)
  • 悪天候時(台風、大雪など)

訪問前には朝来市公式ホームページまたは「情報館 天空の城」(TEL: 079-674-2120)で最新情報を確認することをおすすめします。

登城方法と所要時間

竹田城跡へは徒歩での登城が基本です。主な登城ルートは:

1. 山城の郷ルート(最も一般的)

  • 中腹駐車場「山城の郷」から徒歩約40分
  • 比較的緩やかな坂道

2. 駅裏登山道ルート

  • JR竹田駅裏から徒歩約40分
  • やや急な登山道

3. 表米神社登山道ルート

  • 表米神社から徒歩約40分
  • 歴史ある参道を通るルート

雲海シーズンの土日祝日は、山城の郷から城跡付近まで天空バス(有料)が運行されます。バス利用で徒歩時間を約20分に短縮できます。

交通アクセス|電車・車での行き方

電車でのアクセス

最寄り駅:JR竹田駅(播但線)

  • 大阪方面から:JR大阪駅→JR福知山線経由→JR和田山駅→JR播但線→JR竹田駅(約2時間30分)
  • 神戸方面から:JR神戸駅→JR播但線→JR寺前駅→JR播但線→JR竹田駅(約2時間)
  • 姫路方面から:JR姫路駅→JR播但線→JR寺前駅→JR播但線→JR竹田駅(約1時間30分)

JR竹田駅から竹田城跡までは徒歩約40分です。駅前には観光案内所があり、地図やパンフレットを入手できます。

車でのアクセス

高速道路利用

  • 播但連絡道路「和田山IC」から約10分
  • 北近畿豊岡自動車道「和田山IC」から約10分

駐車場

竹田城跡周辺には複数の駐車場があります:

  1. 山城の郷駐車場(中腹)
  • 普通車:300円/日
  • 城跡まで徒歩約40分
  • 最も利用者が多い駐車場
  1. 竹田まちなか観光駐車場(城下町)
  • 普通車:無料
  • 城跡まで徒歩約50分
  1. その他民間駐車場
  • 料金:500円前後/日

雲海シーズンの週末は早朝から混雑するため、午前5時前の到着が推奨されます。

タクシー利用

JR竹田駅または和田山駅からタクシー利用も可能です。竹田駅から山城の郷まで約5分、料金は約1,000円程度です。

竹田城周辺の観光スポット

情報館 天空の城

竹田城跡の麓にある観光案内施設です。竹田城の歴史を学べる展示、ジオラマ模型、映像資料などが充実しています。観光案内、パンフレット配布、お土産販売も行っており、訪問前の情報収集に最適です。

  • 営業時間:9:00〜17:00
  • 休館日:無休
  • TEL: 079-674-2120

立雲峡

竹田城の対岸にある桜と雲海の名所です。春は約300本の桜が咲き誇り、秋冬は雲海に浮かぶ竹田城を望む絶景スポットとして人気です。第一展望台まで駐車場から徒歩約40分です。

生野銀山

竹田城から車で約20分の場所にある、807年開坑の歴史ある銀山です。坑道見学や資料館があり、但馬の鉱山文化を学べます。竹田城と生野銀山は円山川で結ばれ、経済的に密接な関係がありました。

竹田城下町

JR竹田駅周辺には城下町の風情が残ります。古い町家が並ぶ通りを散策したり、地元の特産品を扱う店舗を訪れたりできます。

竹田城のロケーション使用作品

竹田城跡はその幻想的な景観から、多くの映像作品のロケ地として使用されてきました。

映画

  • 「天と地と」(1990年)
  • 「あなたへ」(2012年)

テレビドラマ

  • NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(2014年)
  • 「天空の城ラピュタ」のモデルの一つとも言われる(公式確認はなし)

CM・PV

  • 自動車メーカー、飲料メーカーなど多数のCM撮影地
  • アーティストのミュージックビデオ撮影地

これらの作品により竹田城の知名度は全国的に高まり、「天空の城」ブームのきっかけとなりました。

竹田城の逸話とエピソード

赤松広英の悲劇

最後の城主・赤松広英(広秀)は、1600年の関ヶ原の戦い後、鳥取城攻めの際に城下町に放った火が広がりすぎたことを徳川家康に咎められ、切腹を命じられました。この処分には政治的な意図があったとされ、広英の死により竹田城は廃城となりました。

石垣の謎

竹田城の石垣がわずか15年程度の使用期間のために、これほど大規模に築かれた理由については諸説あります。生野銀山への交通路を押さえる戦略的重要性、豊臣政権の威信を示すシンボル、朝鮮出兵に備えた後方拠点など、様々な説が提唱されています。

天空の城ブームの始まり

2000年代後半、インターネット上で雲海に浮かぶ竹田城の写真が話題となり、「天空の城」「日本のマチュピチュ」として一躍有名になりました。2012年頃から観光客が急増し、ピーク時には年間50万人以上が訪れるようになりました。

このブームは地域活性化に貢献した一方、遺構保護と観光利用のバランスが課題となり、現在は入城制限や保護対策が実施されています。

竹田城訪問時の注意点とマナー

服装と持ち物

  • 履物:スニーカーや登山靴など歩きやすい靴が必須
  • 服装:動きやすく、季節に応じた防寒・防暑対策
  • 持ち物:飲料水、タオル、雨具、懐中電灯(早朝訪問時)

遺構保護のためのルール

  • 石垣に登らない、触らない
  • 指定された見学路以外に立ち入らない
  • ゴミは必ず持ち帰る
  • ドローン撮影は禁止
  • ペットの同伴不可

安全上の注意

  • 雨天・強風時は足元が滑りやすく危険
  • 早朝訪問時は暗いため懐中電灯必携
  • 体調不良時の無理な登城は避ける
  • 夏季は熱中症対策、冬季は防寒対策を十分に

まとめ|竹田城の魅力を満喫するために

竹田城は、400年以上前の石垣遺構が完存する貴重な山城であり、雲海に浮かぶ「天空の城」として国内外から注目される観光地です。室町時代から安土・桃山時代にかけての歴史、赤松広英による壮大な石垣築城、そして現代に至る保存と活用の取り組みまで、多層的な魅力を持つ史跡です。

雲海の絶景を楽しむなら9月から11月の早朝訪問がおすすめですが、春から秋にかけてはいつ訪れても石垣の美しさと眺望を堪能できます。事前に開城時間や観覧料を確認し、適切な服装と装備で訪問することで、安全に竹田城の魅力を満喫できるでしょう。

朝来市による継続的な保存整備により、この貴重な文化財は未来へと継承されていきます。訪問者一人ひとりがマナーを守り、遺構を大切にすることで、「天空の城」竹田城は次世代にもその姿を伝え続けることができるのです。

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