土岐高山城(岐阜県)

土岐高山城(岐阜県)
所在地 〒509-5121 岐阜県土岐市土岐津町高山485
公式サイト https://www.tokitakayama.com/

土岐高山城(岐阜県)完全ガイド:戦国の要衝に築かれた山城の歴史と見どころ

岐阜県土岐市に位置する土岐高山城は、土岐川を見下ろす標高181メートルの山上に築かれた戦国時代の山城です。美濃源氏の名門・土岐氏の一族である高山氏の居城として知られ、武田信玄と織田信長という戦国の二大勢力が争った東美濃の要衝として重要な役割を果たしました。現在は城跡に物見櫓が復元され、土岐市街地を一望できる歴史スポットとして親しまれています。

土岐高山城の歴史:鎌倉時代から戦国時代まで

築城の起源と高山氏の時代

土岐高山城の築城時期については複数の説がありますが、最も有力な説は承久の乱(1221年)前後に遡ります。江戸時代に編纂された『濃州小里記』によれば、土岐氏一族の高山伊賀守秀頼が、土岐光行の居館である「浅野館」を見下ろす高台に砦を築いたのが始まりとされています。

高山氏は美濃源氏の流れを汲む土岐氏の庶流で、美濃国土岐郡を本拠とした名門武家です。1337年には高山秀頼によって本格的な山城として整備されたと伝えられており、土岐川沿いの交通の要衝を押さえる戦略的拠点として機能しました。

戦国時代の激動:武田氏と織田氏の争奪戦

土岐高山城が歴史の表舞台に立ったのは戦国時代です。1556年(弘治2年)、甲斐の武田信玄に属していた平井光行が美濃に侵攻し、土岐高山城を攻略して落城させました。以後、平井氏が城主となり、平井頼母親子が城を治めることになります。

この地域は恵那と名古屋を結ぶ下街道(中山道の脇往還)沿いに位置し、東美濃から尾張へ至る重要な交通路を押さえる要衝でした。そのため、東から勢力を拡大しようとする武田氏と、美濃・尾張を支配下に置こうとする織田氏の間で、幾度となく激しい争奪戦が繰り広げられました。

1566年(永禄9年)には斎藤道三と斎藤義竜との戦いに義竜側に与した土岐父子が戦死する事件も発生しています。その後、1574年(天正2年)には武田勝頼による東濃攻めの際に激しい戦闘が発生し、土岐高山城は再び戦火に包まれました。

織田信長が本能寺の変で倒れた後も、この地域は豊臣秀吉配下の武将たちの支配下に入り、関ヶ原の合戦(1600年)では西軍方の拠点の一つとして機能したとされています。江戸時代に入ると城としての機能は失われ、廃城となりました。

土岐高山城の構造と縄張り

天然の要害を活かした山城

土岐高山城は土岐川を見下ろす標高181メートルの山上に築かれており、全山が泥板岩で構成された三方を断崖絶壁に囲まれた天然の要害です。この地形的特徴を最大限に活かした中世山城の典型的な構造を持っています。

城の縄張りは本丸を中心に、複数の曲輪(くるわ)が配置された連郭式の構造です。急峻な地形を利用した堀切や土塁の跡が現在も確認でき、当時の防御施設の様子を知ることができます。特に本丸周辺には石積みの痕跡も残されており、中世から戦国期にかけての城郭建築技術の変遷を示す貴重な遺構となっています。

主要な遺構

現在の土岐高山城跡では以下のような遺構を確認することができます:

  • 本丸跡:城の中心部で、現在は物見櫓(展望台)が建てられています
  • 曲輪群:本丸を取り囲むように配置された複数の平坦地
  • 堀切:尾根を断ち切るように掘られた防御施設
  • 土塁:敵の侵入を防ぐために築かれた土の壁
  • 石積み:部分的に残る石垣の痕跡

これらの遺構から、土岐高山城が単なる見張り台ではなく、実戦を想定した本格的な山城であったことがうかがえます。

土岐高山城の見どころ

物見櫓からの眺望

土岐高山城跡の最大の見どころは、本丸跡に建てられた物見櫓(展望台)です。この櫓は往時の物見櫓を模して復元されたもので、土岐市街地を一望することができます。

標高181メートルの高台から見渡す景色は圧巻で、土岐川の流れ、JR中央本線の線路、そして土岐市の市街地が眼下に広がります。天候が良ければ、遠く恵那山系の山々まで望むことができ、なぜこの地が戦略的要衝として重視されたのかを実感できます。

城跡への登城路

土岐高山城跡へは、麓から整備された登城路を歩いて登ることができます。所要時間は徒歩で約10~15分程度です。登城路は比較的緩やかに整備されており、中世の山城を体感しながら登ることができます。

途中には案内板が設置されており、城の歴史や構造について学びながら登城できるのも魅力です。春には桜、秋には紅葉が美しく、四季折々の自然を楽しむこともできます。

東屋と休憩スペース

本丸跡周辺には東屋(あずまや)が設置されており、休憩や昼食をとることができます。ベンチも複数設置されているため、ゆっくりと景色を眺めながら往時に思いを馳せることができる空間となっています。

土岐高山城下街道と高山宿

歴史地区としての高山宿

土岐高山城の麓には、かつて城下町として栄えた高山宿の面影が残されています。「土岐高山城下街道高山宿」として、地域の歴史と文化を保存・継承する活動が行われており、往時の街道文化を感じることができます。

下街道沿いに発展したこの宿場町は、恵那から名古屋へと至る主要街道の宿駅として賑わいました。現在も古い町並みの一部が残されており、城跡とあわせて散策することで、戦国時代から江戸時代にかけての歴史の流れを体感できます。

穴弘法と周辺の文化財

土岐高山城周辺には「穴弘法」と呼ばれる史跡もあり、地域の信仰と歴史が色濃く残されています。城跡とあわせて周辺の歴史スポットを巡ることで、より深く土岐の歴史を理解することができるでしょう。

アクセスと訪問情報

車でのアクセス

土岐高山城跡へは車でのアクセスが便利です:

  • 中央自動車道 土岐南多治見ICから約10分
  • 城跡近くに無料駐車場が整備されています
  • カーナビ設定:岐阜県土岐市土岐津町高山485

駐車場から城跡本丸までは徒歩で10~15分程度の登城となります。

公共交通機関でのアクセス

電車を利用する場合:

  • JR中央本線 土岐市駅から徒歩約15分で登城口へ到着
  • 駅から城跡までは比較的平坦な道のりで、標識に従って進むことができます

見学情報

  • 入場料:無料
  • 見学時間:常時開放(夜間の登城は推奨されません)
  • 所要時間:登城から見学まで約30~40分
  • トイレ:駐車場付近に設置
  • 注意事項:山城のため、歩きやすい靴と服装での訪問を推奨

周辺の観光スポット

土岐高山城跡を訪れた際には、周辺の観光スポットもあわせて巡ることをおすすめします:

土岐市美濃陶磁歴史館

土岐市は美濃焼の産地として知られており、美濃陶磁歴史館では美濃焼の歴史と文化を学ぶことができます。土岐高山城跡から車で約15分の距離です。

道の駅「志野・織部」

美濃焼の器を購入できるショップやレストランがあり、土岐の特産品を楽しむことができます。お土産探しにも最適です。

周辺の城跡

土岐市周辺には他にも戦国時代の城跡が点在しています:

  • 妻木城跡:土岐高山城から車で約20分、妻木氏の居城
  • 小里城跡:東濃地域の重要な山城
  • 苗木城跡:中津川市にある国史跡指定の名城

これらの城跡を巡る「東美濃城めぐり」も人気のコースとなっています。

土岐高山城の魅力と訪問の意義

土岐高山城は、全国的に有名な大城郭ではありませんが、戦国時代の東美濃における武田氏と織田氏の勢力争いを物語る重要な史跡です。天然の要害を活かした中世山城の構造を今に伝え、往時の戦略的重要性を実感できる貴重な場所となっています。

物見櫓からの眺望は素晴らしく、土岐市街地を一望できるだけでなく、なぜこの地が交通の要衝として重視されたのかを視覚的に理解することができます。城跡としての規模は大きくありませんが、見学時間は約30分程度で、気軽に訪れることができるのも魅力です。

美濃焼の産地として知られる土岐市ですが、戦国時代には重要な軍事拠点でもありました。土岐高山城跡を訪れることで、陶磁器の町とは異なる土岐の歴史的側面に触れることができるでしょう。

土岐高山城を訪れる際のポイント

おすすめの訪問時期

土岐高山城跡は一年を通じて訪問できますが、特におすすめの時期は:

  • 春(3月下旬~4月上旬):桜が美しく、花見を兼ねた登城が楽しめます
  • 秋(11月):紅葉が美しく、気候も登城に適しています
  • 冬(12月~2月):空気が澄んで遠望が効き、雪景色も趣があります

夏季は草木が茂り、虫も多いため、虫除け対策が必要です。

撮影スポット

土岐高山城跡での撮影におすすめのスポット:

  1. 物見櫓からの市街地展望:土岐市街地を一望できる絶景ポイント
  2. 物見櫓の外観:復元された櫓を下から見上げるアングル
  3. 登城路の石段:歴史を感じさせる雰囲気のある構図
  4. 堀切や土塁の遺構:中世山城の防御施設を記録

訪問時の服装と持ち物

  • 歩きやすい靴:登城路は整備されていますが、山道のため運動靴やトレッキングシューズが推奨されます
  • 帽子と飲み物:特に夏季は日差しが強いため必須
  • 虫除けスプレー:春から秋にかけては虫が多い場合があります
  • カメラ:景色や遺構の撮影用
  • 双眼鏡:遠景の観察に便利(任意)

まとめ:土岐高山城で戦国の歴史を体感

岐阜県土岐市の土岐高山城は、武田信玄と織田信長という戦国の二大勢力が争った東美濃の要衝として、重要な役割を果たした山城です。現在は物見櫓が復元され、土岐市街地を一望できる展望スポットとして、また戦国時代の歴史を学べる貴重な史跡として親しまれています。

天然の要害を活かした中世山城の構造、堀切や土塁などの遺構、そして物見櫓からの素晴らしい眺望は、訪れる人々に戦国時代の息吹を感じさせてくれます。アクセスも良好で、見学時間も30分程度と気軽に訪問できるため、岐阜県の城めぐりや東美濃の歴史探訪の一環として、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

美濃焼の産地として知られる土岐市の、もう一つの顔である戦国の歴史。土岐高山城跡は、その歴史を今に伝える貴重な場所として、これからも多くの歴史ファンや観光客を迎え続けることでしょう。

地図

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