丸亀城

所在地 〒763-0025 香川県丸亀市一番丁
公式サイト https://www.city.marugame.lg.jp/site/castle/

丸亀城完全ガイド|現存天守と石垣の美しさを誇る国宝級の名城

丸亀城は香川県丸亀市に位置し、現存天守を持つ日本でも数少ない貴重な城郭です。「石垣の名城」として知られ、総高60メートルにも及ぶ日本一高い石垣と、コンパクトながらも優美な三層三階の木造天守が訪れる人々を魅了しています。本記事では、丸亀城の歴史から建築的特徴、見どころ、アクセス方法まで、この名城の魅力を徹底的に解説します。

丸亀城とは

丸亀城は、香川県丸亀市の亀山(標高約66メートル)に築かれた平山城です。江戸時代初期に完成し、現在まで天守が現存する「現存12天守」のひとつとして、国の重要文化財に指定されています。

城の最大の特徴は、四段に積み上げられた美しい石垣です。この石垣の総高は約60メートルに達し、石垣の高さとしては日本一を誇ります。緩やかな曲線を描く「扇の勾配」と呼ばれる独特の反りは、機能美と芸術性を兼ね備えた石垣技術の傑作とされています。

天守は三層三階の木造建築で、高さは約15メートルとコンパクトですが、その均整の取れた美しい姿は「讃岐の小京都」にふさわしい優雅さを持っています。

丸亀城の歴史

築城から江戸時代まで

丸亀城の歴史は、室町時代末期の1597年(慶長2年)に生駒親正が亀山に城を築いたことに始まります。しかし、この時点では本格的な城郭ではなく、支城としての機能を持つ程度のものでした。

本格的な城郭としての丸亀城が築かれたのは、1602年(慶長7年)のことです。生駒親正の子である生駒一正が讃岐国17万石の領主として高松城を本城としながら、丸亀にも城を築きました。

1641年(寛永18年)、生駒氏はお家騒動により改易となり、代わって山崎家治が5万石で入封しました。しかし山崎氏はわずか17年で断絶し、1658年(万治元年)には京極高和が6万石(後に5万1500石)で入城します。

京極氏の時代に丸亀城は大規模な改修を受け、現在見られる姿の基礎が完成しました。特に石垣の整備が進められ、高い技術を持つ石工集団「穴太衆(あのうしゅう)」によって、美しい曲線を描く石垣が築かれました。

明治時代以降

明治維新後の1869年(明治2年)、版籍奉還により京極氏は丸亀藩知事となりましたが、1871年(明治4年)の廃藩置県により丸亀藩は廃止されました。

多くの城が廃城令により取り壊される中、丸亀城の天守は奇跡的に破却を免れました。しかし、城内の多くの建造物は取り壊されたり、民間に払い下げられたりしました。

1943年(昭和18年)、天守、大手一の門、大手二の門が国宝(旧国宝)に指定され、戦後の1950年(昭和25年)には文化財保護法により重要文化財に指定されました。

2006年(平成18年)には「日本100名城」に選定され、2017年(平成29年)には「続日本100名城」の選定に伴い、丸亀城は改めてその歴史的価値が認められました。

丸亀城の建築的特徴

日本一の高さを誇る石垣

丸亀城最大の見どころは、なんといっても壮大な石垣です。四段に積み上げられた石垣の総高は約60メートルで、石垣としては日本一の高さを誇ります。

石垣の特徴は「扇の勾配」と呼ばれる美しい曲線です。下から見上げると、まるで扇を広げたような優雅な反りを描いており、これは単なる装飾ではなく、敵の侵入を防ぐための防御機能と、石垣自体の強度を高めるための構造的工夫が組み合わさった結果です。

石垣には「野面積み」「打込み接ぎ」「切込み接ぎ」という異なる積み方が見られ、築城の時期や場所によって技法が使い分けられています。これらの違いを観察することで、城の築城過程を読み解くことができます。

現存天守の魅力

丸亀城の天守は、江戸時代初期の1660年(万治3年)頃に建てられたと考えられています。三層三階、高さ約15メートルの木造建築で、初重から二重、三重へと逓減する美しいプロポーションが特徴です。

天守の構造は、初重が南北約12.9メートル、東西約11.6メートルの長方形で、外観は白漆喰の塗籠造りです。屋根は本瓦葺きで、最上階には廻縁高欄が設けられています。

内部は三階建てで、各階には展示物が配置されており、城の歴史や丸亀の文化を学ぶことができます。最上階からは瀬戸内海や讃岐平野を一望でき、晴れた日には瀬戸大橋や瀬戸内海の島々を眺めることができます。

天守は現存する12天守の中では比較的小ぶりですが、その分、木造建築の温かみや細部の美しさを間近で感じることができます。

大手門と城門

丸亀城には、大手一の門と大手二の門という二つの重要な門が現存しています。両門とも重要文化財に指定されており、江戸時代の城郭建築の優れた例として貴重です。

大手一の門は高麗門形式で、1670年(寛文10年)頃の建築と推定されています。シンプルながらも堅牢な構造で、城の正面入口としての威厳を保っています。

大手二の門は櫓門形式で、より大規模な構造を持っています。門の上部には櫓が設けられており、防御機能を強化しています。

これらの門をくぐって城内に入ると、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのような感覚を味わうことができます。

丸亀城の見どころ

石垣めぐり

丸亀城を訪れたら、ぜひ石垣をじっくり観察してください。城の周囲をぐるりと巡りながら、異なる角度から石垣を眺めることで、その壮大さと美しさを実感できます。

特におすすめのビューポイントは以下の通りです:

  • 大手門前広場: 四段の石垣を一望できる絶好のスポット
  • 搦手(からめて)側: 石垣の高さを最も実感できる場所
  • 内堀沿い: 水面に映る石垣の美しさを楽しめる

石垣の「算木積み」と呼ばれる角の部分の精緻な技術や、「矢穴」と呼ばれる石を割るための痕跡なども観察してみてください。

天守からの眺望

天守最上階からの眺めは、丸亀城を訪れる最大の楽しみのひとつです。360度のパノラマビューで、以下のような景色を楽しむことができます:

  • 北側: 瀬戸内海と瀬戸大橋の雄大な景観
  • 東側: 讃岐富士(飯野山)の美しい円錐形
  • 南側: 讃岐平野と讃岐山脈
  • 西側: 丸亀市街地と瀬戸内海の島々

特に夕暮れ時の瀬戸内海に沈む夕日は絶景で、多くの写真愛好家が訪れます。

城内の桜と季節の風景

丸亀城は「さくら名所100選」にも選ばれており、春には約650本のソメイヨシノが城を彩ります。石垣と桜のコントラストは見事で、毎年多くの花見客で賑わいます。

桜の季節以外にも、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色など、四季折々の美しさを楽しむことができます。特に秋の紅葉シーズンには、石垣を背景にした紅葉が格別の美しさを見せます。

丸亀城資料館

城内には丸亀城に関する資料を展示した資料館があります。城の歴史、築城技術、京極家に関する資料、武具や古文書などが展示されており、丸亀城への理解を深めることができます。

特に、石垣の構造を説明した模型や、城の変遷を示す古地図などは、実際に城を見学する前に見ておくと、より深く城を楽しむことができます。

丸亀城の文化財指定と評価

丸亀城は、その歴史的・建築的価値から、数々の文化財指定を受けています:

  • 重要文化財: 天守、大手一の門、大手二の門(国指定)
  • 史跡: 丸亀城跡(国指定)
  • 日本100名城: 78番(日本城郭協会選定)
  • さくら名所100選: 日本さくらの会選定

特に石垣の技術的価値は高く評価されており、城郭建築や石垣研究の専門家からも「石垣の教科書」として注目されています。

アクセス情報

電車でのアクセス

JR丸亀駅から:

  • 徒歩約10分で大手門に到着
  • 天守まではさらに約15分(坂道を登ります)

丸亀駅は予讃線の主要駅で、高松駅から快速で約20分、岡山駅から特急で約40分です。

車でのアクセス

高速道路利用:

  • 坂出ICから約15分
  • 善通寺ICから約15分

駐車場:

  • 丸亀城内観光者用駐車場(無料、約50台)
  • 丸亀市民球場駐車場(イベント時以外利用可)
  • 周辺の有料駐車場

桜の季節や連休中は駐車場が混雑するため、公共交通機関の利用をおすすめします。

開館時間・料金

天守の開館時間

  • 通常期: 9:00~16:30(入館は16:00まで)
  • 休館日: 12月25日~12月31日

入館料

  • 大人: 200円
  • 小中学生: 100円
  • 団体割引: 20名以上で割引あり

城跡自体は24時間開放されていますが、天守への入館は上記時間内のみです。石垣や城郭の散策は無料で楽しめます。

周辺の観光スポット

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

丸亀駅前にある美術館で、丸亀市出身の画家・猪熊弦一郎の作品を中心に展示しています。建築家・谷口吉生による建物自体も芸術作品として評価されています。

中津万象園・丸亀美術館

京極家の別邸として造営された回遊式大名庭園です。約1万5千坪の広大な庭園には、1688年に築庭された美しい日本庭園があり、四季折々の景色を楽しめます。

金刀比羅宮

丸亀市から車で約30分の琴平町にある「こんぴらさん」として親しまれる神社です。本宮まで785段、奥社まで1368段の石段が続く参道は、参拝者の挑戦心をくすぐります。

うちわの港ミュージアム

丸亀は「丸亀うちわ」の産地として知られています。このミュージアムでは、うちわの歴史や製作工程を学べるほか、うちわ作り体験もできます。

丸亀城を楽しむためのポイント

登城の所要時間

  • 急ぎ足: 約45分(大手門から天守往復)
  • 標準: 約1時間30分(石垣観察や天守見学を含む)
  • じっくり: 約2~3時間(資料館見学、写真撮影を含む)

天守までは坂道と階段が続くため、歩きやすい靴での訪問をおすすめします。

ベストシーズン

  • 桜の季節(3月下旬~4月上旬): 最も人気のシーズン
  • 新緑の季節(5月): 爽やかな気候で散策に最適
  • 秋の紅葉(11月中旬~下旬): 石垣と紅葉のコントラストが美しい
  • 冬(12月~2月): 観光客が少なく、ゆっくり見学できる

写真撮影のポイント

  • 早朝: 朝日に照らされた石垣が美しい
  • 夕暮れ: 瀬戸内海に沈む夕日と天守のシルエット
  • 大手門前広場: 石垣全体を収めるベストアングル
  • 天守最上階: 360度の眺望を楽しめる

三脚の使用は混雑時には制限される場合があるので、事前に確認してください。

丸亀城の保存と修復

石垣の崩落と修復

2018年(平成30年)、豪雨の影響で石垣の一部が崩落する被害が発生しました。これは石垣の内部に溜まった雨水が原因とされ、修復工事が進められています。

修復工事では、崩落した石を一つ一つ番号を付けて記録し、できる限り元の位置に戻す「積み直し」という伝統的な手法が用いられています。この修復作業自体が、石垣技術の継承という重要な意味を持っています。

天守の保存活動

木造建築である天守は、定期的な修繕が必要です。丸亀市では、天守の耐震診断や保存修理計画を策定し、この貴重な文化財を後世に伝えるための取り組みを続けています。

市民ボランティアによる清掃活動や、文化財保護の啓発活動も活発に行われており、地域全体で丸亀城を守る意識が高まっています。

丸亀城とうどん文化

香川県は「うどん県」として知られ、丸亀市も例外ではありません。丸亀城の周辺には、地元で愛される讃岐うどんの名店が数多く存在します。

城見学の前後に、本場の讃岐うどんを味わうのも丸亀観光の楽しみのひとつです。セルフサービス形式の店が多く、リーズナブルに本格的な讃岐うどんを楽しめます。

また、丸亀市は「骨付鳥」という郷土料理でも有名です。スパイシーな味付けの鶏もも肉を豪快にかぶりつく料理で、地元の居酒屋で提供されています。

丸亀城のイベント

お城まつり

毎年5月に開催される丸亀市最大のイベントです。武者行列、太鼓演奏、ステージイベントなどが行われ、城下町全体が祭りの雰囲気に包まれます。

丸亀城キャンドルナイト

夏の夜に開催されるイベントで、城内にキャンドルが灯され、幻想的な雰囲気を楽しめます。ライトアップされた天守とキャンドルの灯りが織りなす光景は、昼間とは違った魅力があります。

丸亀城石垣ライトアップ

不定期で行われる石垣のライトアップイベントでは、日本一の高さを誇る石垣が照明で浮かび上がり、昼間とは全く異なる幻想的な姿を見せます。

まとめ

丸亀城は、日本一の高さを誇る美しい石垣と、現存する木造天守を持つ貴重な城郭です。400年以上の歴史を持ち、今なお当時の姿を留めるこの城は、日本の城郭建築の粋を集めた傑作といえます。

「扇の勾配」と呼ばれる優美な石垣の曲線、コンパクトながらも均整の取れた天守、そして天守から望む瀬戸内海の絶景は、訪れる人々に深い感動を与えます。

桜の季節の華やかさ、新緑の爽やかさ、紅葉の美しさ、そして冬の静寂と、四季折々の表情を見せる丸亀城。讃岐うどんや骨付鳥といった地元グルメとともに、この名城をぜひ訪れてみてください。

丸亀城は、単なる観光地ではなく、日本の歴史と文化、そして先人たちの技術と知恵が結晶した文化遺産です。その価値を理解し、後世に伝えていくことが、私たち現代人の責任でもあります。

香川県を訪れる際には、ぜひ丸亀城に足を運び、この美しい城の魅力を存分に味わってください。石垣の壮大さ、天守の優美さ、そして瀬戸内の風景が織りなす絶景は、きっとあなたの心に深く刻まれることでしょう。

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